SATとは、構造化された(Structured)特別の方法(質問法・回答法・イメージ法など)を用いて、否定的な感情を制御し、私たちのひらめき、連想、直感(Association)という右脳活動を上手に促し、本来的自己の素質を活かす生き方への自信を高める再現性のあるテクニック(Technique)の意味です。
つまり技法が構造化されているので、その手順に従い行っていくことで、相手の方の悩みや生き方変容、行動変容などを支援することができるようになるのです。練習をすれば誰にでも使えるようになります。
SAT法は、筑波大学名誉教授であり、ヘルスカウンセリング学会会長である宗像恒次博士によって開発された、これまでにあるカウンセリング法とは異なり、短時間・短期間に解決を目指すことができるイメージ法を使った再現性のあるカウンセリング・セラピー法です。
あらゆる病気や疾患はストレス病といわれています。我慢やいやなことでのストレスを抱えて日々を送っていると、自律神経やホルモンバランスが崩れ、身体や行動、精神に色々なサイン(症状)が出ます。実はこれらのサインは全て自分に何かを教えてくれています。サインをチャンスにして、本来の自分に戻って、より愉しく過ごせるよう支援するものです。
我々の現在の感じ方や物事の捉え方は、過去の情報によって左右されるので、人によって異なります。ものごとをストレスと感じるか、感じないかは、その人の感受性によって異なります。SATイメージ療法は脳に直接働きかけることができるので、その感受性を変えられ、ストレスと感じやすい自分から脱却することができます。
記憶の脳神経回路は、体験でも想像でも、同様に作られることがわかっています。SATイメージ療法は、この脳の特性を活用して、自分の望む良いイメージをつくって、長期頻回刺激をして、脳神経回路を定着させ、自分らしい生き方を取り戻すことを可能にします。
1)精神サイン: | 自分の気持ちや発言を抑えて、人にわかってもらいたい気持ちが強く、不安が強くなったり自分は今のままではだめだな~と思いうつうつする。 |
2)身体サイン: | 肩こりや腰痛・便秘・下痢などに始まり、高血圧・がん・自己免疫疾患などあらゆる疾患。 |
3)行動サイン: | 頭では分かっているがなかなか行動を改められないもの。アルコール・たばこ・過食・万引き・不倫・八つ当たり・など。 |
このようなサインを自分の中に見つけたら、変われるチャンスです!!
SAT法は、全ての技法が科学的理論に基づいていて、どなたにでも受け入れられる要素を持っています。では、理論について簡単にご説明しましょう。
私たちは脳内から分泌される神経伝達物質によって、様々な感情を感じています。例えば、自信があり穏やかな気持ちの時にはセロトニンがほどよく分泌し、達成感や満足感の時にはドーパミンがほどよく分泌、また朝起きたときに目覚めるためにノルアドレナリンがほどよく出て、活動できるようになります。これらの物質が分泌しにくいと無力感や抑うつ傾向になります。又、過剰に出すぎても統合失調症状態になってしまいます。
私たちは日常的に色々ストレスを感じますが、ストレスがあるとノルアドレナリンが過剰に分泌し、怒りや不安や悲しさなどを感じ、身体が緊張するといった症状を招きます。放っておくと病気や疾患につながります。神経伝達物質がほどよくバランスよく分泌するようになるには、あるがままの自分で楽しく過ごし、例え何か心配事があってもすぐに解決できる自分になることが大事ですね。
私たちは生まれながらに持っている遺伝的な気質があります。何が遺伝するかというと、先に説明した神経伝達物質の分泌の仕方や、ストレスのためやすさが遺伝するのです。宗像博士が臨床を通してまとめた遺伝的気質をお伝えしましょう。
人格気質とストレス気質に分けています。人格気質はモテタイ(循環)気質、セワヤキ(粘着)気質、マイペース(自閉)気質の3つに分類されています。また、ストレス気質はキッチリ(執着)気質、ピリピリ(不安)気質、いきなり(新奇)気質の3つに分類されています。人は一つの気質だけではなく重複して持っています。また、相手や場所によっても異なった気質が出てきます。
では、簡単に気質の特徴を説明しましょう。
1)モテタイ(循環)気質:他者からほめられることで快感物質ドーパミンが出る他者報酬の遺伝子と筋肉の動きが早い活動的なノルアドレナリン関連の遺伝子を持っています。外見特徴は丸顔で、ジェスチャーを交えて話をします。目や顔の表情が明るく、早口でしゃべることができます。社交的、明朗活発で、大げさな表現をしたり、ちょっと自分にとって都合が悪くなると、無自覚のうちに情報の操作をしたり、人間関係を切ったりします。また、柔軟で人との輪を大切にするところもあります。本来は淋しがりや、などの特徴を持っています。
2)セワヤキ(粘着)気質:情緒安定物質セロトニンと緊張物質ノルアドレナリンの両方に関連する遺伝子があるので、落ち着きのある中でエネルギッシュです。人を守ることでドーパミンを分泌する遺伝子を持っています。外見的特徴は、角張った顔でテンポがゆっくり。几帳面で融通が利かず、自分の筋を通そうとするところがあります。粘り強く物事に取り組みますが、思考全体がゆっくりしています。愛情深く人のお世話が好きです。自分の秩序感(ルール)の中で人に考えを押し付けるところもあります。
3)マイペース(自閉)気質:鎮静物質ギャバとの結合が困難な遺伝子を持ってるので、一度興奮するとなかなか鎮静しにくいので、対人緊張を避け、マイワールドの中で愉しみを見つけ、自己満足すると快感物質ドーパミンが分泌する遺伝子を持っています。外見的特徴は、面長な人と表情の静かな丸顔タイプがいます。利害にとらわれず正直で、表情が豊かに変化しないところがあります。もっぱら一人で行動したりマイペースで、独自性が保てないと情緒不安定になりやすいのです。大きな反応はしないしお世辞は言えず、うそをつけません。興味のない話は聞いている風です。
4)キッチリ(執着)気質:快感物質ドーパミンの受容体との結びつきが困難な遺伝子を持っているので、要求水準を上げて頑張ってドーパミンを多く出そうとする傾向があります。生真面目で自分にも人にも厳しい頑張り屋。熱中性・徹底性・責任感・義務感・誠実・完全主義などの傾向があって、仕事はしっかりやるので社会的信用が得られやすいところがあります。しかし、欲求の強度が強いだけに、その分孤独感や無力感を持ちやすいので、ストレスを溜めやすく精神疾患や病気になりやすいです。
5)ピリピリ(不安)気質:自信物質セロトニンの慢性的不足があるので、神経質でいつも不安、それだけに将来の最悪を予期することで最悪を避けようとする遺伝子を持っています。本質的に孤独で恐怖感の中にいる感じです。悲観的・過度な心配・神経質・敵意感情を持つことで思い込みによる妄想を持ちやすい。不安から表情が乏しかったり、目つきがきつくなったり、チック症状、引っ込み思案の傾向があります。何かあるとパニックが生じやすいですが、長期のストレスマネジメントには強いところがあります。不安でノルアドレナリンを分泌しやすいので抑うつや病気になりやすいのです。日本人の80%はこの気質を持っているといわれています。
6)イキナリ(新奇)気質:ドーパミンの受容体と結びつきにくい遺伝子関与があるので、ドーパミンを得るために新奇なことに目を輝かせて興奮する遺伝子を持っています。情熱的な探求心が大きなエネルギーを生み出します。また、セロトニン不足もあるので、嫌悪刺激があると衝動的、逸脱的、攻撃的、短気になる傾向があり、ストレスを溜めやすいです。好奇心旺盛で常に新しいものを追い求める特徴もあります。
(参考文献:宗像恒次著「自分のDNA気質を知れば人生が科学的に変わる」講談社α新書)
私たちは、母親の胎内で通常10ヶ月と10日の月日を過ごしてこの世に誕生します。しかし、一般には知られていないことですが、誕生できるのは受精卵のわずか20%程度であることがわかっています。着床までに母親の白血球に攻撃を受け、3分の1が消失します。さらに減数分裂の失敗によって受精卵80%以上が消失します。これは誰にでも起こる不分離染色体異常によるものです。生まれてきた私達は、貴重な存在であることがわかるでしょう。
消失した受精卵は、母親に再吸収されたり母親の胎内にとどまる繋留流産や、月経時にどろっとした経血として体外に排出されたりします。
超音波検査で見る限り、わたしたちの8分の1は、多胎で受胎しています(超音波疫学研究:1995年)。また、多胎のきょうだいの消失率は80%といわれています。しかし、最近の研究では、妊娠の極初期にはほとんどが多胎受精なのですが、妊娠が確認される頃には単胎になっているのではないかという研究がなされています。双胎妊娠が判明した後に、極早期の段階で一方が流産となって結果として単体妊娠の形になることをバニシング・ツインといいます。つまり、私たちは誰でも多胎児であったという考えができるのです。
輸血をしたり臓器移植を行うと自分以外の人の細胞が身体に入って来て、ずっと棲みついた状態になります。このように他者の細胞が自身の体内に潜んでいる現象は、マイクロキメリズムと呼ばれています。その他者細胞をキメラ細胞と呼んでいます。
このマイクロキメリズムは臓器移植や輸血などだけで起こるのではありません。妊娠時の女性の体内にはさまざまな変化が起こります。母子寛容と言って、それらは女性自身や胎児を守り、健康に育てるために存在するのですが、女性は妊娠時に胎児との細胞の交換が起こり、免疫系が反応することなくその細胞を長期間保持しています。つまり母子間においても、マイクロキメリズムが生じ癌発生率や自己免疫疾患に何らかの繋がりがあると考えられています。
胎内で亡くなった子どもとの間にもマイクロキメリズムが起こり、生まれてこなかった子は母親に吸収されたりするので、その子の細胞を母親は持っているのです。そしてその後に自分が生まれてきたとすると、亡くなった方の細胞が母親との細胞の交換時に混ざって自分に入り、自分の中にもなくなった方のキメラ細胞が存在することになります。ですから、普通の人は全員、キメラ細胞(他人の遺伝子を持つ細胞)をもっています。
Fred Hutchinson Cancer Research Centerによると、キメラ細胞が医学的に確認されている場所が身体中にあります。母親の細胞は子の細胞100万個当たり、リンパ節 (平均190個)、肺(平均760個)等存在し、胎児の細胞は、母親の100万細胞当たりリンパ節(平均105個)、肺(平均3750個)等存在するということが発表されています。(サイエンス2008年5月号)
人は自分だけで生きていると思いがちですが、胎内で消失した親族は記憶だけではなく、キメラ細胞として自分の身体に存在しているのです。三世代にわたってキメラ細胞を共有しているということもわかっています(HS Gammill and JL Nelson, 2010)。しかし実際にはもっと前の世代の方の細胞もあるのではないかと考えられます。がんの幹細胞は死ぬことがありません。その幹細胞が伝わってくると祖先の情報も入ってくる可能性があるのです。
自己細胞を非自己細胞(キメラ細胞)が攻撃して炎症を起こしたり、逆に非自己細胞を自己細胞が攻撃して炎症を起こしたりします。ということだけなら有害と考えられるでしょうが、自己細胞の壊れたところ(炎症)を非自己細胞が修復することもわかっているのです。
自己免疫疾患はこれまで自己細胞を自己免疫が責めることによっておこる疾患だといわれていましたが、近年の研究ではキメラ細胞が関与しているのではないかという説が強くなってきました。
自己免疫疾患は女性が80%を占めますが、これは妊娠する仕組みを持つ女性の方がキメラ細胞の数を男性より多く持っているからと言えるでしょう。これは有害としての例です。しかし、女性は男性より長生きをします。キメラ細胞が修復してくれる有益性があるからこそと言えるかもしれません。
では、キメラ細胞を持っていると何が起こるのでしょうか。臓器移植におけるマイクロキメリズムの研究で、次のようなものがあります。
1)Gary Schwartzは、74 人(23 は心臓移植)の臓器移植のケースを記録しました。これらのケースは、すべてドナー(臓器提供者)の体験した出来事を覚えていいたり、場所、好き嫌いに変化が起こったり、行動傾向がこれまでとは変わったりと、レシピエント(臓器移植者)へ記憶転移することを示しました。
2)8才の女の子は、殺された10才の女子の心臓を移植されました。臓器移植後、殺人について鮮明な悪夢を繰り返し見始めました。その殺人者の詳しい情報は警察が犯人を見つけて、有罪判決を下すのに用いられました。時間、武器、場所で、犯人が着た服、犯人が殺した少女が彼に言ったことなどなど。心臓移植された少女が報告したすべては、完全に正確でした。はじめはそのような主張は異様にうけとられたが、すべて理にかなった説明になっていました。
(http://www.effective-mind-control.com/cellular-memory-in-organ-transplants.html)
3)よくわかる例では、性同一性障害と呼ばれてる方々で、オネエは性染色体はXYで男性器を持ちますが、自己判断・自己決定する前頭葉は、その方の中に存在する女性キメラの好みや欲求に支配され、女性優位の行動がみられることがあります。
以上のように、人は色々な人の細胞の集合体で、キメラ細胞のそれぞれが持つ人格や情報の寄せ集めだということがおわかりになるでしょう。つまり多重人格だと考えられます(多重人格障害とは異なります)。自分の中に、さまざまな矛盾が起こって悩みが生じたり、色々な自分がいたりしても(多重人格的)当たり前だといえますね。つまり他者人格によって自分の中に矛盾が起きたり、また感じ方や考えたかを支配されてしまうということが起こるのです。このようなことを知らなければ、現在不自由な自分であっても、本来のあるがままの自分だと思って辛く苦しい日々を受け入れるしかありません。しかし、キメラ細胞がいるが故と分かれば少しは気分が楽になるのではないでしょうか?
そして、SATイメージ療法を行うことで、混同していた他者人格を切り離し、本来のあるがままの自分を生きられるようになるのです。
私たちは嫌な人の顔を見たり、ストレスなことに会うと、肩こりや胸がキュッとしたりドキドキしたりしますね。これはストレス時に分泌するノルアドレナリンやグルタミン酸などの興奮性の神経伝達物質の影響によって、細胞内にK+・Na+・Ca+といったプラスイオンが流れ込むことで神経・筋肉・内分泌細胞の興奮が起こることによるのです。実はこの炎症や緊張を起こす場所に、キメラ細胞が存在していると考えられています。キメラ細胞はノルアドレナリンの受容体を持っているので感受性が高いと考えられているのです。
SAイメージ療法は中波長500~600nmの暖色系(黄金色・黄色・クリーム色・白く光った色・キラキラ光るグリーン色・オレンジ入り・ピンク色・スカイブルー色)の光イメージ法を用います。暖色系の色はマイナスイオンCl-を細胞内に取り込み神経・筋肉・内分泌細胞の興奮を抑制することがわかっています。つまり暖色光に包まれるイメージが持てると、リラックスできるのです。マウスにオレンジ色の光を当てると、マイナスイオンを細胞の中に取り込んでリラックスして寝てしまうという研究がありますが、長続きはしません。また、脳は実際に体験したことでもイメージしたことでも、同様の脳神経回路をつくる特性があるので、実際に光に当たらなくても光をイメージするだけで、効果が出るのです。しかし私たちは炎症や緊張を起こしている身体違和感の場所(キメラ細胞付近)を光に包まれたイメージをずっと持ち続けることは困難です。
そこで、光に包まれた身体良好感に存在するキメラ細胞を笑顔や穏やか顔に代理顔表象化し、これまでになかった感じ方や考え方の脳神経回路をつくり、代理顔表象を何度も見る(頻回刺激する)ことで、感じ方や考え方を定着させることができます。それと同時に、キメラ細胞との感情の情報混同を切り離すことができ、自分のあるがままの生き方をすることができるようになるのです。